大野厚嗣DigitalGallery




2024


impression


日本各地を訪れた30代は「物事は有限で知らない事もまだまだ多い」という
考えからでしたが、40代となった今もその考えは変わりません。
この10年、各地を訪れ写真として記録してきました。動画全盛期の今、動画ではなく
写真を選んだのは「見る人の時間」を考慮しての事です。(HPの容量もありますが)
写真として残したのは記憶は必ず薄れるからで、なるべく見たままを写すよう
心掛けてきました。一部フィルターを使用した写真もありますが、多くは肉眼に近い色で
加工も修正もせずアップしたものです。「見たままでも十分美しい」という考えと
その場にいる人も含め「その時の景色」と捉えている為です。
逆に言えば、そこで写真を撮っていた僕も誰かの景色の一部になっていたかもしれません。
「二度と来れないかもしれない」と頭の隅に置きつつ歩いていると、その土地土地への
思いも増してきます。日本全国魅力ある場所がまだまだある為、再訪できるかも分からない。
そんな旅行の場合は、楽しさを求めるよりも好奇心で動いている事が多く
この好奇心が失くなりつつある時は衰えの兆候だと思っています。
ここまで各地を訪れてきて思うのは「次は無いかもしれない」という事です。
その景色、その建物は災害や持続不可能となり無くなっているかもしれない。
地方の博物館等建物の老朽化や維持を考えると、10年後20年後も維持できるかは
現実的ではない。訪れた博物館等も写真として残してきたのはその為です。
(なので気になった施設等ありましたらぜひ訪れてみてください!)

こうした考えが現実に起きたのが、元日に発生した能登半島地震です。
あの時見た、歩いた景色の変わりようにはかなりショックを受けました。
朝市で話しかけてくれたおばちゃんや親切にしてくださった各施設の方々を思い出し
「物事は有限」である事を強烈に思いました。
とにかく今は自分の仕事や生活に注力するしかない。
2017年8月に東日本大震災の被災地を訪れた時のように
カメラを持ち能登へ再訪する計画を立てる時がくると思います。



(ここから話は若干抽象的になります)
今は様々な分岐点であり、これから数年で日本だけでなく世界の道標が決まるのではないか、
これまでの価値観も補正しなくてはいけない共生社会がやってくると思います。
そうした中で、今まで見てきた景色(それは映える場所だけでなく寂れた場所も含め)や
考えてきた事、また気付いた事とこれまでの価値観を合わせた自分の軸をしっかりと
持っていないと共生社会に対応するのは難しいのではないかと考えています。
それらは想像力となり、多角的な視点を生み、衝突を回避する助けとなるはずです。
誰もが皆分かり合うというのは現実的に難しく
分断された中でも共感を見出していかなければならない。
異なる文化や言語を超えた人間らしい喜怒哀楽を忘れずに共生する事が大切で、
きっと新しい世代は彼等の価値観で共生していくと思います。
その時、自分達の世代がそれを否定する事は全く意味を持たず、
むしろ彼等から学ぶつもりで関わる事が重要であり、未曽有の災害やウイルスによる
混乱に耐えてきた世代として共感を見出す事が、共生への近道ではないでしょうか。


普遍的、本質、感情、この三つを軸として失わない事が重要だと思います。





profile pencil oilpainting watercolor photo gallery link mail selfportrait

top


©2010 ohnoatsushi